あなたが不要なものを買ってしまう本能的な理由
その購入は「あなたの意志」か、それとも「操作」か
夜中にふとAmazonを開いて、無意識に日用品とかガジェット、サプリメントを「ポチって」しまったりしませんか?届いた商品を開けて数日後には、「あれ、なんでこれ買ったんだっけ……?」と自分を疑う。そして翌月の請求が以上に多い。
そんな経験、一度はあるはずです。(僕はかなり経験があって、あの現象に名前をつけたいくらい)
あるいは、フォローしているインフルエンサーがおすすめしていた物を、「なんか良さそう」と直感だけで即決してしまったことはないでしょうか。私たちは、自分の意志で買い物をしていると信じこんでいる。 しかし真実は少し残酷です。
実はあなたの脳は、巨大な資本とコンピュータアルゴリズムによって、「ハック」されている状態なんです。あなたが不要なものを買ってしまうのは、あなたの物欲が強いからでも、意志が弱いからでもありません。資本社会という巨大なシステムが、本来は必要でない物を「あなたには必要ですよ」と思わせて買わされています。
今回は、あなたからお金を使わせる社会の仕組みと、その対策について解剖していきます。
最後までお付き合いください。
なぜ、あなたの「冷静な判断」は働かないのか?
「無料」という名の裏口
今さらですが、SNSって無料で使えますよね。この理由、考えたことはありますか? データサーバーの維持費、開発者の人件費……これら膨大なお金がかかるのに「タダ」で提供されるはずがありません。
「もし、あなたがサービスにお金を払っていないのであれば、あなた自身が売られている商品である」
という有名な言葉があります。SNS企業にとっての本当のお客様は、あなたではなく「広告主」です。
私たちの滞在時間やクリックした場所、画面をスクロールする速さに至るまで、すべては「どうすればこの人は買うか?」を予測するためのデータとして吸い上げられています。
私はアプリエンジニアとして開発する側ですが、大手企業などはデータ取集をかなり重視します。ボタン1つ押しただけで、ログデータが送信されるようになっています。ABテストと言う、いわゆるAという人とBという人に別の画面だったりボタンを見せてどちらが反応が良いか試す。
それだけ、ユーザーの行動が貴重なんですよ。お金になるから。
SNSでなくても、ショッピング系アプリには改善に改善を重ね、購入までスムーズに私たちを向かわせるように施策がされています。もう実験箱に入れられたマウス状態と一緒ですね。
脳の古いOS:プロスペクト理論とドーパミン
また、人間の脳は、数万年前の「原始時代の設定」のまま、根本は変わってません。行動経済学の「プロスペクト理論」というものがあって、人間は「得をすること」よりも「損をすること」を過剰に嫌がります。
今だけ50%オフ!という広告を見て、『安く買えてラッキー』と思うかもしれませんが、脳は逆の反応をしています。
『今買わないと、2,000円損をする』という恐怖に近いストレスを感じているんですよ。買い物でスッキリするのは、そのストレスから解放されたーという防衛本能に近いものがあります。
さらにこのとき、脳内では快楽物質のドーパミンが放出されていて、そして「決済完了」の瞬間に最高潮になる。買い物でストレス解消する人がいるのは完全にこれですね。
これはもはや、脳へのサイバー攻撃と言ってもいいでしょう。
買い物は「生活の向上」ではなく「負債」である
「不要な物を買わされている」というのは、無駄なお金だけでなく、
実は「管理の手間」という見えないマイナスが付随します。モノが増えれば、収納、掃除や交換の手間、どれを使うか迷う時間も増えますよね。本当に欲しいものだったらいいですが、そこまで必要でないものを買わされて、負債を背負わされる。たまったもんじゃないですよ。
あとは、ものが増えるだけ執着が増えるということです。
物って劣化したり、なくなったりするじゃないですか。あとはもっと高性能やハイグレードのものがあるから、さらに欲しくなるみたいな執着です。この「買わされる・誘惑される」状態を絶対に買わない!みたいな意志で突破するのは正直難しい。だって本能的に操られてるんですから。
じゃあどうするかということでアクションプランです。
アクションプラン:脳を守るための4ステップ
必要なのは立ち向かう精神力ではなく、習慣です。
今日から、この買わせる誘惑から自分を守るバリアを貼りましょう。
ステップ1:今持ってるものでなんとかならないか考える
僕たちって、昔はもの少なくても生きて来れましたよね。学生時代とか思い出してください。今よりも少ないお金で、本当に欲しいものだけ買う。これが本来のあり方なんじゃないでしょうか。
大人になって、なんでも買えるようになった弊害です。だから社会に買わされる。なので物を欲しくなったら、今あるものでなんとかならないかを一旦考えてみること。
ステップ2:「3日の保留期間」を設ける
「欲しいな」と思った瞬間に決済するのは待ってください。商品をカートに入れたままにするか、商品のリンクをメモアプリに記載するかして、そのまま3日間放置してください。3日後に見直せば、8割のものは「んーやっぱり要らないな」と思えるはず。
買い物でドーパミンが最も出るのは『手に入れる直前』なので、3日経つとその脳内がスッと収まって冷静な判断ができるからです。期間限定だし、特別価格だし!という商品は、定価でも買いたい商品ですか?もしNOであれば、その商品はおそらくそこまで欲しいものではなく、値段と限定感で釣られているだけです。
ステップ3:時給に換算してみる
その商品の価格を、自分の時給で割ってみましょう。例えば手取り30万円で週5日8時間働いてるとして、そうするとざっくり時給2000円ですね。
3万円の靴が欲しいなーとなった時、「15時間も働いて得る価値があるだろうか?」と問いかけるのです。そこでふるいにかけられます。それでも欲しいと思えば、買っていいと思いますが躊躇するようであればやめておきましょう。
ステップ4:投資したらどうなるか想像する
買おうとしていた3万円を年利5%想定のインデックスファンドで積立て10年放置したらどうなるでしょうか?3万円が約5万円に化けています。
使わないだけで2万円増えるんですよ? 金額が増えればなおさらです。これを繰り返せば自分の代わりに働いてくれるマネーマシンに育ちます。
もちろん、いい買い物もあって、自分が幸福感を得られるものだったり、
その物を買ったことによって将来数倍になって返ってくるようなものにはお金をしっかり使いましょう。
あなたの人生の主導権を取り戻せ
社会は、あなたに「何かが足りない」とささやき、それを埋めるための「解決策」として商品を売りつけてきます。
これからは、SNSが勧めるものでも、誰かの流行でもなく、自分の意志で、本当に必要なものだけを自ら選んで手に入れる。
これは単純な「買い物」ではなくて、自分の人生を選択するという、最高にクリエイティブな決断です。
今日から意識してみてください。